Xemono.inc

日 / EN

東京大学MOOCロゴデザイン

期間 : 2022年6月 〜 2022年9月 カテゴリ : アイコンデザイン・アニメーション制作 クライアント : 東京大学大学総合教育研究センター ディレクション : とりいめぐみ アイコンデザイン・アニメーション制作・編集 : 庭石


東京大学大学総合教育研究センター様から依頼され、東大MOOCのロゴをデザインしました。

MOOC(Massive Open Online Course)とは、インターネットを通じて、さまざまな教育機関が提供する公開オンライン講座を受講できる仕組みのことです。この案件では、東京大学が開講するMOOCの広報等で用いられるロゴのデザインと、ロゴのアニメーション制作を手がけました。


仕事のはじまり

依頼の際にクライアント様から、「グローバルに展開する事業として、日本国外の人にも見つけてもらいやすいデザインにしてほしい」「コースを開講する講師にとっても魅力的なものにしてほしい」というご要望を頂いていました。

この案件で初めに行ったのは、近い分野のロゴを集めたイメージボードを作成することでした。 ここでは教育機関のロゴだけでなく、別分野のIT系企業のロゴなども幅広く集めました。 さまざまなテイストのロゴを見てもらうことで、より完成形をイメージしてもらいやすくなります。


ヒアリング、方向性の決定

このような準備をもとに、クライアント様から一回目のヒアリングを行いました。 デザインの方向性を決めていくために、クライアント様がMOOCにどんなイメージを持っていて、ロゴにどんなイメージを託したいのか聞いていきます。 「はっきり固まってないことでもいいので、なんでも話してみてください」と、クライアント様側からも話しやすい雰囲気を作りながらイメージを聞き、それに近そうなデザイン例をイメージボードから提示します。その反応を見ながら、クライアント様の好みや要望を確かめていきました。

この案件では、次のようなイメージをクライアント様と共有できました。

  • 「現代的で、シンプルでシャープなデザインがいい」

  • 「MOOCは受講者が新しく知識を手に入れていくもの。それを象徴して「世界が広がっていく」ようなものがいい」

  • 「イメージとしては、ゲームなどのセーブポイント、ワープの入り口みたいなのはどうか」

ヒアリングで共有したイメージをもとに、ロゴのラフスケッチを描いていきます。

この案件では、ロゴにアニメーションをつけることがあらかじめ決まっていました。 そこで、ラフスケッチの時点で動きのイメージを作り、さらにアニメーションにしたときに映えるような色・形の案も一緒に出しました。 いくつかのバリエーションを描いたスケッチをクライアント様との会議で提示し、ひとつひとつの案について解説しました。 ここで案が三つに絞り込まれました。


絞り込み、色と文字を決め、ロゴデザインを決定

選ばれた三つの案を清書しました。さらに、クライアント様に完成形が見えやすいよう、それぞれの案に対し仮アニメーションを作成しました。これらをもとに、その後のクライアント様との会議で一つの案に決定しました。

次は、カラー、フォントのいくつかのバリエーションを提示し、クライアント様と話し合って決定しました。特にカラーは、アニメーション映えと強く関わるので、じっくり検討しました。

これでロゴのデザインは決定です。


アニメーション制作

最後に、ロゴのアニメーション製作に入ります。 実際に使うシーンを想定し、用途別に5秒バージョン・2秒バージョンの二種類のアニメーションを制作しました。 5秒バージョンでは水滴の波紋が広がりロゴの形になっていくイメージ、2秒バージョンでは一本の線から立体的な世界が開いていくようなイメージで、クライアント様からいただいた要望を、短くとも余韻のあるアニメーションになるよう落とし込んでいきました。


完成品

ロゴは、光が差し込むようなデザインとなりました。円錐が表現する奥行きは、MOOCの向こうに広がっている未知の世界を示しています。


この案件でのこだわり

この案件では、以下のふたつの点にこだわりました。

まずは、ヒアリングを徹底的に行うことです。特に、お客様のまだことばになっていないイメージをことばにして、それをデザインを通して実現することです。

そして第二に、イメージボードにしろ、ラフスケッチにしろ、カラーバリエーションにしろ、たくさんのバリエーションを提示することです。お客様から頼まれて、追加でバリエーションを案出することもありました。これはひとえに「これがうちのロゴだ」と納得して使ってもらうためです。

東京大学大学総合研究教育センター