デザインスタジオクセモノ
Xemono Inc.
2024/05/20
30x30
「これで全てわかった」と私が喝采をあげた時、目の前には30×30の表が印刷されたA4の紙が広げてあった。1つ1つのマス目はシュレッダーにかけられた紙屑よりまだ小さい。
私はゲームの構造を考えていた。全ての可能性を書き出して見せれば、全てがわかると思ったのだ。900個の白いマスを眺めて思った。「明日じっくりみよう」。もちろんじっくり見る日は来ない。
3日ぐらい表を放置して、いやいやと思った。こいつは愚かだぞ。構造を作ってそれが面白いか検証する必要があるのに、作った当人すら直視できない代物になっちゃった。他人にだって検証不能だろうし、そんなものが実際にゲームの中で動いたとして、プレイヤーだって楽しいわけはない。もし実装に踏み切っていたら有罪だった。
表は捨てた。もう少しマシな形を作ったので、今回はそっちが採用されるだろう。