デザインスタジオクセモノ
Xemono Inc.
Xemono 社長日記

小学校の頃、超能力が流行っていた。ミュウツーの逆襲を見て、皆サイコキネシスを使いたくて仕方がなかったのだ。
その時していた超能力ごっこで、今でも真実だったなと思うことがひとつある。
ある秋の放課後、ニュータウンのマンション前の広場で「おれは止まっているコマを動かせるしそのやり方を教えてやる」と言い始めたやつがいて、そいつのもとに年上の6年生までもが集まった。
そいつは「目で考えるんだ」と言った。
結局その場では誰も超能力は使えなかったけれど、自分は大人になってもいまだにそいつが言ったことを覚えている。なんだかすごく本当のように感じたのだ。
頭で考えるのは普段からやってることだ。けれど脳を構成している神経細胞は、脳にだけあるわけではない。全身に神経としてくまなく伸びて、電気をパチパチ流している。もし、手には手の、足には足の、腹には腹の、そして、目には目の思考があるとしたらどうなるのだろう。脳が心の本体だと思い込んでいる私は、目や手や腹の思考が発火していることに気づけるのだろうか?もしそれに気づけたら、あの時できなかった超能力は本当は何だったのかわかるんだろうか?