デザインスタジオクセモノ
Xemono Inc.
2024/03/22
ゲームの先生
自分は時にゲームを作る。かなり楽しい部類の仕事だ。
たまに、どんなゲームを参考にしているのですかと聞かれる。この世には大量の名作があり、リスペクト対象に困ることはない。けれど、自分のゲームの先生はゲームだとは思ってない。新しいゲームを生み出すのは、現実の新しい把握だと思う。
ポケモンは町田が田んぼだった頃の虫取りの記憶が開発の時にかなり反映されているらしい。ドラクエは神話構造の語り直しだろう。語りたい何かをどのような操作によって体験させるかがゲームの軸となる。
ゲームの先生はゲームではない。こう考えると新参者にもいいことがある。シューティングゲームをつくろう、と思って作ると、比較対象は過去のすべてのシューティングゲームの名作になる。新参者には分が悪い。ここで、たとえば人の体内での免疫の仕事を、シューティングという形で表現しました、とかやると、評価の軸は「よいシューティングになっているか」と「よく免疫というものを表せているか」の2軸に増える。コンセプトも定まっていいことづくめだ。
まずは世界をよくみて、それからどんな形のゲームにできるか考える。自分が考えるときはそうしています。