Xemono 社長日記

下北沢が好きだ。下北沢がめちゃくちゃ好きだ。
私の友人は下北沢は毎日学園祭みたいな街なんだよと言った。本当のことだと思う。
下北沢は演劇の街で古着の街でバンドの街で、必要なものは何もないけどいらないものは全てある。マジで歩いてる人みんな何しに来てるかわからなくて、それが一番いい。
事務所から出て街を歩くと、人々の活気の純度の高いやつを吸い込むことができる。駅前のバンドマンは「憧れが現実になったとき、突きつけられるものってありますよね」とか話してるし、路地裏では芸人の卵が練習していて、スーパーの裏では下半身だけ着ぐるみを着た小柄な女性が1000円札の束を数えている。少し中心から逸れると立派な家の立ち並ぶ住宅街で、おばあさんが二人歩きながら「ささいなことよ〜」と笑い合っていて、詳細がわからなくてもよかったねと思う。活気のある街で人々は勝手に話している。
下北沢といえば再開発の話が取り沙汰されるけど、自分は新しい部分も古い部分も好きだ。線路が埋まったり浮いたりした道は歩きやすいし、謎の植物が植わったおしゃれな道沿いのテラス席でなんか飲んだりするのもいい。
一方で、古い店には怖くてなかなか入れない。下北沢は好きでも、まだ7年ぐらいしか居座ってないからだ。でもそれも良い。深層がある街だと思う。
駅前には妙にエンタメ性の高いオオゼキがあって、巨大なフェンネルや謎の魚を売っている。向かいのダイエーも24時間開いててありがたい。
一度は高円寺とかに事務所を移そうとしたこともあったけど、なんやかんやで下北沢に居座り続けて7年経った。それに、下北沢はゲームフリークが初代ポケモンを作った場所でもある。
下北沢は毎日学園祭みたいな街だ。その実態が、主に他所から持って来たものを披露するだけの刹那的な場所であったとしても、ディスクユニオンの上階にゲームフリークの事務所があったらしいことを思うと、何か新しいものをこの街で作ることは不可能ではない、と思い出せる。